すばらしい韓国の食事211 ホンハプ(ムラサキイガイ)
韓国、海産物が豊富です。ソウルあたり、たとえば観光的な感じのある南大門市場でも、野菜や鶏、鮮魚などを扱う一角がありますが、そんな場所の魚屋の店頭でも、新鮮な魚介類が売られています。特に、貝類の剥き身は種類も豊富で、日本とは比較になりません。
唯一、市場で観光客にも目に付きやすいので、よく悪口のネタになるのですが、イカは、解凍ものがあまり保冷もされずにその辺にころがしたように売られているものが多いです。もちろん、刺身屋では活けのイカは珍しくもないのですが、加熱調理用の鮮魚の扱いは、かなりいい加減であることは、韓国びいきの私も認めます。また、ナクチ(テナガダコ)も、生でサンナクチとして食べる活けのものと、加熱してナクチポックムとかブルナクチョンゴルなんかにするものの扱いはぜんぜん違います。大きさも、活けのは小さいほど良く、加熱用はかなりの大型の冷凍ものが主です。日本同様、中国からの輸入が増えているようです。
やっと写真の話になりますが、日本でも港の船を繋ぐロープやなんかにくっついているムラサキイガイ、ホンハプという名前で、広く食べられています。刺身屋なんかへ行けば、無料サービスでこのホンハプのお澄まし、ホンハプタンがきっと出てきますし、南大門市場の一角にある生牡蠣屋台でも見かけました。そんなスープの場合は殻付きを使いますが、こんな風に、料理用に剥き身も、たくさん売られています。カサガイなんかも、市場で見かけることがあります。食べられるものは食べる、そんなのが韓国食かもしれません。
余談ですが、韓国語の「二枚貝」、「~ハプ(はp)」と付くものが多いようです。知っている人は知っているのでしょうが、「合」という字が「ハプ」です。「2枚の殻が合わさる生き物」ということで「~合」なんでしょう。 このムラサキイガイは、同じ2枚貝のアサリやハマグリとは異なり、肝の部分が赤っぽく見えるので「紅合」なのでしょう。他に「大合(デハプ)」とか、「白合(ペクハプ、ペガプ)」、とかもあります。
また「チョゲ」という呼び名もあります。こちらは固有語かな?「キチョゲ」=タイラガイ(タイラギ)、ナクチポックムのときの貝汁(チョゲタン)に使われる「モシチョゲ」だの。
でも、アサリは「パジラク」という呼び名がありますし、何度も書いているように、売られている魚屋ごとに、呼び名が変わったり。 食べ物の名前、特に、魚介類に関しては、非常に呼び名がいろいろなのが、韓食研究を行う外国人にはやっかいな部分です。
| 固定リンク
コメント