すばらしい韓国の食事287 冬だけしかない別味 クァメギを食べてみた
前に浦項のところでちょっと書きましたが名物の「クァメギ」、韓国の食べ物のことなら大体知っていると思っていた私も割合最近知ったメニューです。いろいろ調べてみると寒い冬にしか作れない、食べられないもののようで、市場などで見かけられるのも冬の寒い時期だけのよう、それで、見たこともなかったのだと思います。ちょっと気にして見ていれば2月頃の訪問ではあちこちに「クァメギ始めました」だのの張り紙があります。秋の魚「銭魚」みたいなものなのかもしれません。
1枚目は市場の魚屋の店頭。クルビは大きいのは10匹、小さいのは20匹ずつ、黄色いビニル紐でくくられて干された状態で売られていますが、クァメギもいっしょ。20匹が1続きになっていました。値段を聞くと8000W。まぁ、1000円ちょっとです。これを買って知り合いのおばさんのホプで食べさせてもらうことにしました。
2枚目がその店での状態。何度も行ってる店ですのでこんなお願いにも応えてくれます。わざわざ近所の八百屋まで葉っぱをもらいに行ってきてくれて出してくれました。「もらいに」というのも本当です。その店では使わないサムチュだけど、日ごろ仕入れに使っている店だから1人分サムチュをもらってきた。そんな近所付き合いが親密なのは韓国のよい点です。
ここをはじめに読んだ方のために解説ですが、クァメギもしくは、クヮメギ、サンマの寒風干しです。皮をむいて、そぎ切りにして、葱といっしょに味噌をつけて海苔とサムチュなどで包んで食べるのだそうです。1匹だけ切ってもらって、残りはあげる、そんなふうに頼みました。
さて、その味ですが、今でも少しあると思いますが、いわしのみりん干しという、味付けされた甘めの干物がありますよね?あれに似た味、でも、けっこう生臭いとも言える青魚の味です。食べるまではけっこう塩を効かせたしょっぱいものだと想像していましたが、ぜんぜん塩辛くはありません。これでは厳寒の冬にしか干せないのが理解できます。 しっかりした大きさのサンマですので、かなり脂があります。それをカバーするのが葱であり、葉っぱなのでしょう。もちろん辛くはありません。、
最初は生のサンマの干したの、このまま食べていいのかな?なんても思っていましたが、葉っぱなしで食べてもけっこうサンマの味がします。案外美味しく、全部を食べてしまいました。 冒頭に書いたように冬だけの浦項の名物ですが、ちょっと注意すればソウルでも冬だけの味覚としてメニューになっている店がありそう。干したサンマを生で食べるクヮメギ、なかなか美味しいですよ。
アップしてから気づきました。2枚目の写真、サイズがそのままでした。ごめんなさい。小さいままでご覧ください。またこのクァメギ、かなりの歯応えがあります。葉っぱとともに一口でむしゃむしゃ口を大きく動かして食べるのも「身体にいい」=「モメチョッタ」なのかもしれません。
タイトルに使ったことば「別味」は「ピョルミ」と読み、「珍味」というような、特別なご馳走のことです。同じ意味で「別食」という漢字語も使われる韓国です。
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