すばらしい韓国の食事323 キムパプ(キンパ)の解剖学
駅の階段でも売っているし、粉食の店でも売っているし、キムパプ天国とかキムパプサランなんていう安いチェーン店もある。市場でも売っているし、軽食の屋台でも売っている。デパ地下にもあるし、バスターミナルにもある。汽車の中でも買えるし、遠足や運動会の弁当でも大抵はお母さんが作るキムパプ。登山のときも登山口で売っているキムパプを買って弁当にしたりもします。何度か国民食「チャジャン麺」とか書いていますが、チャジャンを食べない人はけっこういます。でも、1年間に1度もキムパプを食べない韓国人は多分いません。それくらい一般的な韓国の食事なのですが、いったい、1日に韓国全土で食べられるキムパプ、何本くらいなのかな?って思います。
これは木浦の新装成った旅客船ターミナルの待合室のスタンドでの2000Wのキムパプ。船に乗る前なので、ハードな食い物はもしものことがあるとマズイし、かといってあまりに空腹でも船酔いの原因になりそう、ということでキムパプを1本いただきました。白菜キムチとオデンの汁(クンムル)はおまけで、店のアジュマ、それを出してからキムパプを1本、トントントンと包丁で切って出してくれます。
キムパプを食べるとき、端っこの具が出ている部分が珍重されるようで、複数で食うときにはそこを全部食べてしまうと友情にひびが入るという話もあります。チキンを食うときの腿の部分(タクタリ)同様、韓国人が好きな食べ物の大事な場所のようです。
さて、この国民食とも言えるキムパプですが、大抵は具が決まっています。2枚目の写真で見てみると、
*ヘム(ハム) あまり高級でない集成ハム、キムパプ用として長いサイズのがどこでも売られていて、すでに細く切ってあるものもあるようです。
*ケマッサル(カニカマ) 日本で開発されたものですが韓国でもあっという間に一般的な食材として普及しました。ケ=蟹、マッ=味、サル=肉(というか動物の類の身、という意味)で、ケマッサル。余談になりますが、コンビニでたまに見かける「イケガチョア」という斜め切りになったカニカマ、非常に美味しいです。500Wか1000Wですので、お試しください。イ=この、ケ=カニという意味の他に「物」という意味の것というか게にひっかけてあるのだと思います。そして、ガは日本語の「が」とほぼ一緒で、チョア=好き。「イゲガチョア」、美味しいです。
*タクアン タンムジとも言われますが、これもキムパプ用に一定の太さに細く切った長いのが売られています。あっさり味の酢漬けっぽいタクアンです。
*オイ きゅうりですね。これも欠かせぬ材料
*タングン(丹根) ニンジン。韓国人生の野菜、葉っぱをたくさん食べます。サツマイモも生ですもんね。
*ケラン(鶏卵)マリ 卵焼き これは既製品は無いと思います。
*キm(キム=海苔) 韓国式に油を塗って塩を振って焼いたもの。これが味なしのご飯にいいアクセントになります
*パプ(パッp) ご飯
と、こんなのが基本です。その他、牛肉だのツナ(チャムチ)だのチーズだの、いろいろバリエーションがありますが、韓食を語る上で絶対外せないメニューのひとつでしょう。なんだか食べたくなってきてしまいます。
オマケ、「解剖学」は해부학(ヘブハk)です。解放(해방)という言葉は知っていましたが、剖が「ブ」というのは最初はイメージ湧かず違和感がありました。日本語で「下手(へた)」とかいう状態を言う「ヘボ」という言葉に似ていたからかもしれません。
これを打っていて感じたのですが、日本でももちろんいろんな材料を入れる太巻きはありますが、寿司飯は酢飯です。これに対して韓国のキムパプ、白いそのままのご飯。また具がそれぞれ個性的で主張のある味のものが多い感じ。なんか形は違うけど、やはり韓国を代表するメニューの一つである「ビビムパプ(ビビンバ、ビビmパッp)」との共通点があるように思えます。素材そのものの味よりもそれが混ざって発揮する複合的な味を楽しむメニューが多い韓食の特徴が出ているとも言えましょう。コチュジャンつけて食べても美味しいだろうと思いますよ。
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